手榴弾 第25巻第102話
手榴弾は、歩兵が戦闘に使う主要武器は小銃(ライフル)に次ぐ主要武器です。
敵数人を撃滅させるためには、強力な火力と言えます。
進撃の巨人にもその手榴弾が登場します。
レベリオ収容区の手摺弾の形
エレンがレベリオ収容区を急襲し、その急襲を援護する調査兵団がマーレ軍との戦闘が始まりました
ここで調査兵団がマーレ軍が隠れている部屋に「手榴弾」を投げ込みます。
この手榴弾の形状に注目すると「四角形」になっています。
ストーリーの時代背景、第一次世界大戦に似た時代に「四角い」手榴弾が登場したのには、ちょっと驚きです。
映画などの戦闘では必ず登場する手榴弾ですが、多分、四角い手榴弾について諌山先生は、何かの本を参考にされたのでしょう。
この形「角ばった」手榴弾は、世界中を見てもあまり見た事はないです。と言うより、世界の国々にも無いんじゃないでしょうか。
この形状にはちょっとびっくりしました。
諌山先生のオリジナルなのでしょうか。
手摺弾の表面についている突起「ブツブツ」
そしてこの手榴弾についている「ブツブツ」の突起形状ですね。
これは、フランス陸軍が開発したF1手榴弾、それを改良したアメリカ陸軍のMK2手榴弾の「ブツブツ」によく似ています。
このブツブツは元々、手榴弾が泥水などで汚れて持ちにくくなった場合に、少しでも持ちやすくするために付けられた形状です。
その後、各国の手榴弾にも「ブツブツ」が付けられていきました。
一種の世界標準になったわけです。
しかし、現代の手榴弾には、ほとんど「ブツブツ」は無く、つるつるしています。
これは、「ブツブツ」が付いていても付いていなくても、握る感触や投げる距離に影響しないからという結果のようです。
この「ブツブツ」の形状は、映画などで露出が多かったため、「手榴弾」と言えばこの「ブツブツ」型というイメージが出来上がっていると思います。
上の画像は、アメリカ陸軍のタイプM61です。
表面がつるつるです。
安全ピンの引き環の下に、安全レバーを押さえるためのジャングルクリップという止め金が見えています。
調査兵団の「四角い手榴弾」は、投げた時に地面や床で転がらないので、投げた場所に「留まる」効果を狙ったのかもしれません。
手榴弾の威力について
第25巻第102話のストーリーの中で、調査兵団がビルを破壊していくシーンがあります。
ほとんどの窓から爆風が噴出していて、この状況からこの爆破は、手榴弾ではなく個別の爆薬を使っています。
手榴弾一個の爆発力、破壊力では、ビルの各部屋を吹き飛ばすほどの破壊でできないはずですから。
調査兵団のオリジナル手榴弾
いずれにしろ「角ばってブツブツ」の付いた手榴弾は、調査兵団のオリジナル手榴弾だと思われます。
その後のストーリーで手榴弾が登場するシーンはあまりありません。
各戦闘でこの種類の手榴弾を使う場面が無くなったからかも知れませんね。
手榴弾の効果的な使い方
従来の手榴弾は、爆発時の破片が不規則で、ばらばらの方向に飛散していました。
このため、能力が均等に発揮できなかったため、効果がでない場合がありました。
手榴弾は均一に爆発する
爆発力が均等になるように科学的な解析が進み、全方位に均等に爆発力が飛ぶように設計されていきました。
爆薬の量も、初期型は爆薬を少なくして外側の殻を重くして殺傷力を高めていましたが、破片が投げた人間にも危険になっていました。
そのため、爆薬量を多くし、細かな鋼やワイヤを高速で飛び散るように設計されてきました。
この方法で特定の範囲に確実に効果を発揮することができました。
また、破片が軽いため空気抵抗により速度が失われ、投げた人間には遠くにいるので安全が確保できるという設計になっていきました。
手榴弾の中身
手榴弾の中身は、爆薬と破片形成のために刻み目が入った鋼製のワイヤが貼り付けられています。
この鋼製のワイヤが均等に飛び出し人間を殺傷します。
人間の作る兵器は、いつの時代でも効果的に殺傷力を高めるように設計しています。
これは人間の醜い部分かもしれません。
悲しい事ですが、人間はどんなむごい事でもやってしまう生き物ですから。
手榴弾:ウクライナ2022年
調査兵団の四角い手榴弾を取り上げましたが、これらは第一次世界大戦後期から第二次世界大戦にかけて改良されてきた武器です。
手榴弾は、2022年から始まったウクライナ戦争でもたくさん使用されています。
ウクライナ軍は、ドローンに手榴弾を付け、ロシア軍の戦車や歩兵に直接投下しています。
本来の使い方である投てき以上の成果を上げています。
使い勝手の良い手榴弾は、今後更に進歩するかもしれません。
また、ドローンと手榴弾を組み合わせた戦闘マニュアルが作られるかもしれません。