
進撃の巨人の世界には、人類が巨人に立ち向かうために欠かせない特殊な鉱石「氷爆石(ひょうばくせき)」が登場します。
氷のように冷たい見た目を持ちながら、爆発的なエネルギーを秘めており、作中では兵器の燃料や爆薬の素材として扱われています。
特にファンの間では「立体機動装置の推進力や燃料に氷爆石が使われているのではないか?」という説が有名で、作品の世界観を考察する上で外せない要素となっています。
本記事では、氷爆石の性質や登場シーンを整理したうえで、立体機動装置との関係性を掘り下げ、さらに現実世界の鉱物・爆薬との比較も交えながら考察します。
氷瀑石とは何か?進撃の巨人世界の特殊鉱石
登場シーンと用途
氷瀑石は、バラディ島でしか採掘されない燃料の岩石です。
バラディ島の壁内の工場都市にある、洞窟内の湖に存在すると言われています。
その詳しい描写はありません。
氷爆石は、常温になると気化すると言われています。
その時発生するガスを、立体機動装置は動力として使用しています。
立体機動装置は、この氷瀑石を燃焼して使っているのか、ガスの気化エネルギーを動力として使っているのかはわかりません。
また、非常に希少であることが示されています。
用途としては以下のようなものがあります。
- 燃料源:立体機動装置のガス推進のエネルギー源として利用されている可能性
- 爆薬素材:雷槍などの対巨人兵器の炸薬の原料
- 工業用エネルギー:照明や発電といったインフラにも利用されていた可能性
性 質
氷爆石の最大の特徴は「氷のように冷たい外見と触感を持ちながら、爆発的なエネルギーを内包している」という点です。
保存状態では安定しているものの、特定の条件下で急激に反応し、強力な爆発を起こします。
そのため、兵器として利用するには高度な技術と管理が必要だったと考えられます。
戦争における価値
進撃の巨人の世界では、氷爆石は単なる鉱物ではなく「人類が巨人に抗うためのエネルギー資源」としての意味を持ちます。
まさに現実世界での石油や核燃料に匹敵する戦略資源だったといえるでしょう。
現実世界で氷爆石に近い物質とは?
氷爆石は 現実に存在しませんが、科学的イメージをベースに作られたフィクション鉱石 かもしれません。
しかし、現実の科学や鉱物と比較すると、いくつかの類似点が見えてきます。
ニトログリセリンやTNTとの比較
氷爆石の「爆発的なエネルギーを内包している性質」は、現実の高性能爆薬である ニトログリセリン や TNT(トリニトロトルエン) に近いと考えられます。
これらは安定した状態では保存可能ですが、衝撃や熱で一気に化学反応を起こし、莫大なエネルギーを放出します。
氷爆石も「普段は安定、条件次第で大爆発」という点で類似しているといえるでしょう。
ドライアイスや液化ガスとの比較
氷爆石の「氷のように冷たい外見」という特徴は、ドライアイス(固体二酸化炭素) や 液化ガス燃料 を連想させます。
これらは低温状態で安定しつつ、外部環境の変化で急激に気化・膨張して大きなエネルギーを発生させる性質を持ちます。
進撃の設定上、氷爆石が「冷却された高エネルギー鉱物」として描かれるのも、このイメージに近いでしょう。
「氷のような爆薬」は存在するか?
現実には「氷のように見える鉱石状の爆薬」は存在していません。
ただし、未来技術として「固体燃料爆薬」や「新型エネルギー鉱石」の研究が進めば、氷爆石に近い存在が登場する可能性はあります。
氷爆石とは、現代のメタンハイドレートと推測
現代科学から推測すると、氷爆石は現実に存在するメタンハイドレートだと思われます。

メタンハイドレートとは、メタンガスが氷状になり固形化したものでです。
その特徴は、石油のように燃焼することです。
立体機動装置は、この燃焼エネルギーを回転エネルギーに変えていると推測されます。
また、アニメ版の描写では、「燃える氷」と言われていて、ドライアイスが青い炎を上げているように見えました。
この現象は、メタンハイドレートの燃焼状況によく似ています。
またメタンハイドレートは、石油や石炭に比べ燃焼時の二酸化炭素の排出量が半分と言われています。
やはり氷爆石のモデルは、現代のエネルギーでもあるメタンハイドレートではないでしょうか。
氷瀑石の持つ性質は、メタンハイドレートの持つ性質と同じと考えられます。
・低温・高圧という環境でも安定する。
・常温・常圧では、メタンは水にほとんど溶けませんが、メタンハイドレートになると、水に溶ける量の約1万倍ものメタンが安定に固体化すると言われています。
立体機動装置と氷爆石の関係
燃料タンクに使われている可能性
立体機動装置の推進力は、腰部に取り付けられた燃料タンクとガス噴射システムによって生み出されています。
ストーリーでは「ガス切れ=戦闘不能」という描写があることから、エネルギー消費が非常に激しいことがわかります。
この燃料に関して、ファンの間で有力視されているのが「氷爆石をエネルギー源にしているのではないか」という説です。
氷爆石の高エネルギー性を考えれば、限られたタンクサイズで長時間の三次元機動を可能にする説明として納得感があります。
ワイヤー射出や推進機構への応用
氷爆石は単に燃料としてだけでなく、ワイヤー射出の火薬代替として利用されている可能性も考えられます。
小規模な爆発エネルギーを瞬間的に発生させ、アンカーを数十メートル先へ打ち込むには高出力の推進力が必要です。
火薬に匹敵、あるいはそれ以上の性能を持つ氷爆石ならば、こうした用途にも適していたはずです。
設定資料やイベント展示からの示唆
公式の設定資料やイベント展示において、氷爆石が兵器の基盤技術に関わっていることが示唆されています。
特に「Attack on Memory ~記憶への進撃~」などの展示会では、氷爆石と立体機動装置・雷槍の関係が間接的に示されており、ファン考察の裏付けとなる情報と言えますね。
氷爆石と他の兵器との関係
雷槍に使われた可能性
調査兵団の切り札として登場した「雷槍」は、装甲巨人の鎧すら破壊できるほどの威力を持っていました。
その炸薬のエネルギー源として、氷爆石が用いられていた可能性があります。
氷爆石は通常の火薬をはるかに上回る爆発力を秘めているため、雷槍の小型サイズであれほどの破壊力を発揮できる理由を説明できるからです。
対巨人野戦砲との関係
壁内で開発された大砲や野戦砲についても、従来の火薬だけではなく氷爆石が装填火薬として用いられていた可能性があります。
もしそうであれば、従来の砲兵戦術をはるかに凌駕する火力を発揮できたでしょう。
特に巨人を一撃で倒す必要があった壁外遠征では、氷爆石の存在が兵団の軍事力を大きく支えていたと考えられます。
超大型巨人の爆発との比較
超大型巨人が変身時に放つ爆発的なエネルギーは、人為的に生み出した氷爆石の爆発としばしば比較されます。
もちろん巨人化のエネルギー源は未知の生体現象ですが、氷爆石は「人類が作り出せる巨人に匹敵する爆発エネルギー」として物語における対比的な位置づけを担っているとも言えると思います。
氷瀑石の採れる場所
第107話では、この氷爆石がパラディ島でのみの存在すると確認されています。
パラディ島にしか存在しないということや、巨人の力に関係するのではないかとジークは語っています。
これは、氷爆石が巨人の力と関係しているのではないか言うことかもしれません。
氷瀑石と巨人との間に何らかの関係があり、互いに力で影響し合っているのかもしれません。
日本の近海でもメタンハイドレートが発見されていて、特に南鳥島付近の海底ではかなりの埋蔵量があるようです。
まとめ|氷爆石が立体機動装置を支える鍵
氷爆石は、進撃の巨人の世界を裏から支える「エネルギー資源」として特別な存在です。
- 立体機動装置の燃料やワイヤー射出の推進力を支える素材であった可能性
- 雷槍や野戦砲など、巨人に対抗するための兵器の炸薬源として活用された可能性
- 超大型巨人の爆発と比較されるほどの、規格外のエネルギーを秘めた鉱石
これらを踏まえると、氷爆石は単なる小道具ではなく「人類の技術進化と巨人への抵抗の象徴」だと言えると思います。
立体機動装置という人類の切り札が成立した背景には、この鉱石の存在が欠かせなかったのです。
現実世界で氷爆石そのものは存在しませんが、爆薬や燃料の科学と照らし合わせて考えることで、進撃の巨人という物語が持つ「リアルとフィクションの境界」をより深く楽しむことができます。
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