新型立体機動装置の仕組み 第27巻第108話
パラディ島の調査兵団を主力とする奇襲部隊が、マーレ国を急襲します。
この時、調査兵団が装着していたのは、新型の立体機動装置でした。
これは、憲兵団が使っていた対人立体起動装置にその外観が似ています。
その仕組みは、従来の立体起動装置と構造が異なっています。
新型立体機動装置の違い
調査兵団は、新型立体機動装置を装着しています。
機器も新しいですが、服装も違います。
黒ずくめですね。
夜間の奇襲でしたので、黒だったのかもしれません。
戦闘が終わった後、マーレ軍は捕獲した立体機動装置を分析しています。
新型立体機動装置には、マーレの技術が取り入れられている、と分析していますが、具体的には述べられていません。
小型軽量化、ワイヤーを巻き取る技術、組み込まれた拳銃等々だと思います。
また、「対人型に改良された」と分析していますが、もちろん対巨人に使われることもあります。
巨人と戦うことになった場合は、雷創を装着できるようになっていますし、硬質ブレードも装着できます。
新型立体機動装置の特徴は、パラディ島で使われていた対人立体機動装置の空気式の銃の代わりにモーゼルC96拳銃を装着しているところではないでしょうか。
拳銃を装着しているということは、やはり対人用を前提に開発されたと思われます。
現に、ジャンなどは、巨人のうなじを切り裂く硬質ブレードを装着していませんから。
新型立体機動装置の原型モデル
ケニー・アッカーマンがリヴァイ兵長を追い詰めるシーンに対人用立体機動装置が詳しく描かれています。
背負い式の空気タンクやリール、ワイヤーなどがよくわかります。
手には単発式の空気銃が装備されています。
新型立体機動装置は、対人立体機動装置と形態がひじょうに似ています。
この時の銃は、空気式の銃ですが、この部分をC96モーゼル型の拳銃に改造したのは確かです。
背負い式の圧縮タンクの形状がよく似ていますし、体に装着する器具も似ています。
外観上も似ていれば、仕組みも似ていてもおかしくないですね。
C96モーゼル拳銃についてはこちらで分析しています。
新型立体機動装置の仕組み№2 第26巻第103話
調査兵団が、マーレを攻撃している様子を見ると、真ん中の空気タンクから空気が噴射しているように見えます。
しかし、これは空気を噴射を利用して空中を飛び上がるというものではないようです。
あくまで空気圧でワイヤー巻き取り用のファンを回転させる時に噴射される空気の排気と思われます。
巨人ピークを攻撃する為に上方に移動していますが、そこまで上昇できる仕組みは謎ですね。
基本的な仕組みは、従来の立体機動装置と同じようにアンカーを射出し、アンカーが固定され、ワイヤーを高速で巻き取り、体を前進させるという方法です。
アンカーの射出と巻き取りの速さが移動のスピードに比例するわけですが、そのスピードを速くするためには、空気タンクの圧力が関係しています。
圧力を高めるためには、頑丈なタンクを作らなくてはなりません。
また、長く飛行するためには、タンク容量は大きくなります。
大きさ、重量の軽減、ワイヤー重量の軽減など、新型立体機動装置には、いわゆるハイテクが網羅されていると思われます。
新型立体機動装置の使い方
空中を浮遊できるのは、アンカーを発射し、アンカーで固定、ワイヤーを急速に巻き取りにことにより前方移動中のある瞬間になると思います。
この瞬間が「体が宙に浮く」状態になっているはずです。
この瞬間をうまく使い空中機動、浮遊が可能になるのでしょう。
実際は、高い位置を飛び回ることになるので、かなりの恐怖を感じると思います。
新型立体機動装置のワイヤーけん引力
調査兵団の奇襲の後、ガビが行動を起こします。
ガビが撤退する調査兵団の飛行船に乗り移る時、C96モーゼルの引き金部分を操作してワイヤーが引き込まれるのを確認しています。
ここで、モーゼルC96のの引き金部分が2箇所になっている部分があります。
これは、対人立体起動装置の構造と同じなので、動作、仕組みも同じでしょう。
2個ある引き金の片方が銃弾の発射、別の引き金が立体機動装置のワイヤーを引き取る際のトリガーになっているようです。
ガビが調査兵団ロボフの新型立体機動装置を使い、ワイヤーを引き取りながら、飛行船に乗り移っていきます。
新型立体機動装置の進化
立体機動装置も進化しています。
しかし、装置は新しくなるほどその構造や仕組みは複雑化します。
管理人の経験上、現代の装置でも、新しい装置が出るたびに構造は複雑化し、仕組みも難しくなっていくのが普通です。
それら複雑化に伴い、操作も複雑になり難しくなります。
兵器は簡単な方が使いやすいですが、現代戦では高度な技術を持たないと勝てません。
科学技術と兵器開発は、切っても切れない関係なのです。
また、新しい装置はその構造が複雑になっていくので、整備やメンテナンスに技量が必要になります。
科学技術を常に進歩させ、相手よりも性能の優れた兵器を作り続けなければ戦いには勝てません。
調査兵団は、その必要性をよく理解して立体機動装置を進歩させたのでしょう。
立体機動装置については、その機能性能が詳しく語られていないので、想像するだけでも興味が湧きます。
新型立体機動装置の原型は対人立体機動装置
調査兵団は、対人立体機動装置をマーレ軍から得た技術を使って新型立体機動装置を開発しました。
調査兵団が改良した新型立体機動装置は、銃把(じゅうは)の部分が拳銃のようになっています。
この部分の銃もモーゼルC96をモデルにしているようです。
また、従来のタンクは腰の後ろに取り付けますが、対人立体機動装置は、背中の真ん中に背負っています。
対人立体機動装置の機構部分の仕組みや圧縮空気の充填量などを改良したのかもしれません。
また、マーレ軍の本拠地で使用した新型立体機動装置は、体全体を覆うスーツの上から装着しています。
スーツの色は黒ですので夜間用と思われます。
このスーツは体にかかる圧力や反動を押さえるものではないでしょうか。
現代の戦闘機パイロットが着る対Gスーツのようなものに似ています。
これは見た限り脱着が難しそうですね。
現代の兵器で、体に装着して空中を飛び回れる器材はありません。
三次元空間を自由自在に飛び回るには、かなり高度な器材が必要です。
ドローンなどの無人機などであれば、実現は可能でしょうが、人間に装着して空中を飛び回るのはかなり未来になるでしょうね。
自由に空中を移動できるアメリカ軍の特殊部隊用の「ジェットパック」がありますが、実用化はまだまだ先のようです。
立体機動装置の駆動エネルギー 第17巻第70話
立体機動装置のエネルギーは、圧縮されたガスです。
それが空気なのか特殊なガスなのかはわかりません。
初期の立体機動装置の時は、特殊なガスなどは開発されていないでしょから、空気だと思われます。
第70話ではエルヴィン団長が光る鉱石のことを少し紹介しています。
この鉱石が立体機動装置のエネルギー源になるのでしょうか?
次に、第107話では、ジークがヒィルズ国の使者に立体機動装置のエネルギー源である、鉱石を紹介しています。
そしてこの鉱石のことを氷瀑石(ひょうばくせき)と呼んでいます。
この氷瀑石は、現代のメタンハイドレードと言われています。
この氷瀑石をどのようなエネルギーに変換しているのかは不明ですが、一端燃焼させることになるのかもしれません。
いずれにしろ、他の国が欲しがっているエネルギー鉱石があるということです。
この鉱石を、直接、立体機動装置の動力源に使うとなると、かなりの技術力が必要です。
小型軽量に加え、エネルギー発生時には熱を放射するので、その対策や防護、圧力のコントロールなどが必要になります。
現代の科学力でも難しいのではないでしょうか。
立体機動装置の基本動作は、ガス圧力でワイヤーを巻き取る構造なので、氷瀑石はガスを作るための燃料かもしれませんね。
氷爆石を燃焼又は化学反応させてガスを発生させる以外として、考えられるものは何でしょうか。
ジークは、「燃料」と言っているので何らかの燃焼が起こさせているのが濃厚でしょうね。
氷爆石については、別の項で解説したいと思っています。