立体機動装置の仕組みと機能、性能のまとめ・進撃の巨人考察

立体機動装置の概要

最初の画像は、進撃の巨人展FINALで見た新型の立体機動装置です。

硬質ブレードとその鞘、ワイヤー巻き取り部分が確認できます。

立体機動装置の開発経緯

巨人に破壊や殺戮を経験したパラディ島の人類が開発した兵器が立体機動装置です。

立体機動装置は、兵士の腰の部分に装着し、両手で操作する装置です。

英語版の進撃の巨人では、Omni-directional mobility gear:全方向機動装置(略称:ODM Gear)と訳されているようです。

調査兵に志願する者は全員、巨人との直接戦闘するため、この立体機動装置を操作する能力を訓練兵期間に徹底的に叩き込まれます。

兵一人に立体機動装置一式が支給されるため、装着、着脱、点検を繰り返すことにより他の者の立体機動装置と見分けがつくようになるとも言われています。

立体機動装置の原型は、パラディ島の地下街の天才発明家、アンヘル・アーネルトンにより開発されました。

当初は、上下の移動のみを行う装置でしたが、試験や改良を繰り返し、三次元の移動が可能になり実用化されていきました。

立体機動装置の動作原理

立体機動装置一式は、アンカーを付けたワイヤー射出装置が腰ベルトの左右に付けられ、超硬質スチールの専用ブレード刃を装着する剣の柄と兼用の操作用トリガーに繋がっています。

このワイヤーを前方に射出してアンカーを壁や巨人の体に突き立て、ワイヤーを高速で巻き取ることによって前方に素早い移動で巨人への裂断攻撃を可能としています。

また、予備の専用ブレード刃を複数枚収めた箱型の鞘を左右の腰に提げています。

この鞘の上部にはカートリッジ式のガスボンベが装備されていて、ボンベに充填したガスの噴射によってファンが回転しワイヤーアクションでの移動の加速を可能にしています。

立体機動装置はブラックボックス化されていて、詳しい仕組みは開発関係者しか把握していようです。

そのため、戦闘や戦場で故障した場合は、その場での修理は不可能です。

故障や破損が起きた場合は立体機動装置を捨て、戦場から脱出するか、予備の立体機動装置を装着しなれば戦うことはできません。

このことから、巨人との戦闘中に立体機動装置が故障又はガスが無くなった場合は、命取りになる恐れがあるので、立体機動装置は頑丈で故障の少ない信用できる装置でなくてはなりません。

立体機動装置を使った移動

ワイヤーによる移動

立体機動装置は、人間の体を二本のワイヤーで吊り下げ、ブランコのように大きく振れながら飛び回るといった激しい動きをします。

この激しい動きに耐えるため、立体機動措置は腰と大腿部を中心として全身にベルトを張り巡らして固定されています。

また、本来の用途と違った性質の衝撃を体に受けた際には、装置が自動的に外れるように設計されています。

これは立体機動装置による兵士の負傷を防止すると同時に、立体機動装置そのものに加わる負荷も抑えるためです。

立体機動装置の操作には、ワイヤーで身体を安定させるバランス感覚が必要不可欠であるため、入団時にその試験に合格しなければなりません。

これは兵士となるための必須条件です。

エレンは、最初これができませんでした。

しかし、エレンができなかった理由はその後判明します。

立体起動装置の試験では、腰の両側をワイヤーで吊る格好となりますが、巨人との戦闘場面では、効率的な移動のためにワイヤーを片側ずつ射出、巻取りを繰り返して前進することも多くなります。

そのため、常に次にアンカーを射出する支点を予測しながら確保しておく瞬時の観察力が必要となります。

三次元的な移動

人は地上では、二次元的な動きをしています。

この二次元的な動きに「高さ」が加わることで命名されたのが「立体機動」と表現しています。

高さが加わったことで、三次元に移動する時の状況判断の難易度はひじょうに高くなり、訓練でも死傷者の出る難しい技能です。

管理人の今までの経験では、訓練で死傷者がでる訓練は最低だと思っていますが・・・。

生身の人間が何の防護策も無く、生身の体で空中を飛び回ること自体が危険極まりないですよね。

実際21世紀の現代でも、生身の人間が空中を移動するための装置はいくつかありますが、危険を伴うことには変わりはありません。

この三次元的な動きは、個々人の素質も必要ですが、立体機動装置が操作できないと戦闘できないことに直結するので立体機動装置の操作は必定の事項です。

立体機動装置は、平地ではほとんど使い物になりません。

しかし、市街地や森林など高さのある建物や物体を利用して、様々な環境で兵士の移動能力、撃破能力を飛躍的に高めることができます。

動力源のガスについて

立体機動装置が開発されたことで、巨人の弱点の後頭部うなじ下部に近づくことができるようになり、そして急所を狙った直接攻撃が可能となりました。

しかし、動力源のガスが切れると巨人のうなじに近づくことは不可能になり、最悪、巨人に襲われることになります。

立体機動措置を使った攻撃は、巨人への接近を前提として考え出された戦術です。

戦闘中は常にガスの残量を把握し、必要な都度ガスを補給しなければなりません。

下記でガスを補給する部隊について紹介しています。

立体機動装置の機能と性能を解説・進撃の巨人考察
立体機動装置は、進撃の巨人の中では重要な位置を占める装置です。立体機動装置の仕組みや機能などを解説していきます。

ガスの無駄遣いは絶対に避けるべきです!

ワイヤーについて

立体機動装置のもう一つの重要な部分がワイヤーです。

ワイヤーを巨人に捕らえられると致命的になります。

巨人に捕まらないように連続攻撃を続けなければなりません。

新兵は、どうしてもその経験不足があるため、実戦で命を落とすことが多くなります。

立体機動装置は、連続した使用時間には制限があり、長時間の戦闘には補給を必要という欠点があります。

また、立体機動での移動は空中移動なので地上より運動量が上がります。

運動量を上げるため、軽量にならざるを得ず、体に付けるガードなどは使えません。

巨人に対するガードがあったとしても、それは有効と思えません。

もし防護装置を考えるとしたら、高所から落下した時に頭や関節を守るヘルメット、プロテクター程度だったかもしれません。

それに、元々立体機動装置は、対人戦闘用の兵器ではないため、巨人の次にやっかいな武器は銃ではないでしょうか。

実際、マーレ奇襲の際には、ピークの車力の巨人による重機関銃射撃で多くの兵士が犠牲になっています。

歩兵などからのも銃撃も脅威となっていました。

立体機動装置は、その性能を十分に発揮させることができれば、巨人に対して最も有効な武器と言えると思います。

対人立体機動装置

対人立体機動装置の登場

パラディ島の中央第一憲兵団には、密かに開発された対人用の立体機動装置が存在しました。

また、人間を攻撃する専門の「対人立体機動部隊」があり、この部隊員が対人立体機動装置を装備していました。

この装置については、憲兵団師団長のナイル・ドークにすら知らされていなかったと言われています。

兵装は硬質ブレードの代わりに単発式の散弾拳銃になっています。

巨人に対しての効果はあまり期待できませんが、人間に対する殺傷力にはひじょうに高いと思われます。

弾薬入りの銃身を大腿部に巻きつけ、交換式の銃身を交換しながら戦います。

そのため、通常の立体機動装置と比較すると、かなり身軽なシルエットになっています。

ガスボンベとワイヤーの巻取り装置は背中に背負う形状になり、アンカーは銃のグリップ下部の射出口から射出されます。

アンカーの射出装置が銃と一体になっているため、アンカーを出している間は他の方向に銃口を向けることができません。

この欠点をアルミンが指摘しています。

 

また、銃も単発式のため、一発撃つと再装填までの間は、無防備になるなどの欠点があり、実戦ではこれらの欠点をカバーしながら戦闘に臨まなければなりません。

実戦経験の豊富な兵士であれば、対巨人用の立体機動装置を使っていても、アンカーを槍のような武器にして人を殺傷することもできます。

第64話の王政打倒編では、調査兵団が対人戦、すなわち人を殺傷することに躊躇したため、当初は対人立体機動装置を装備した憲兵に圧倒されていました。

しかし、調査兵らが人との戦いに覚悟を決め、さらにアルミンが指摘した弱点をついて戦ったことから、対人立体機動部隊との戦いは優位になっていきました。

新型立体機動装置

新型立体機動装置の登場

元マーレ軍のイェレナら義勇兵達から提供されたマーレの技術を元に新たに改良された立体機動装置が新型立体機動装置です。

従来の立体機動装置と同様に、腰周りを中心に装着する対巨人用立体機動装置と、背中を中心に装着する対人立体機動装置に分かれています。

二つを同時に装着することも可能ですが、その重量や動きが制約されることから、かなりの身体能力を必要とされるので、ストーリー上ではミカサ・アッカーマンしか同時には装着していません。

マーレを奇襲攻撃した際、リヴァイ兵長、サシャ・ブラウスは、従来型の立体機動装置を使用しています。

この時、リヴァイ兵長は、対巨人を想定した戦闘に専念するため、サシャは銃を使った射撃を行うため従来型を使用していたと思われます。

対人立体機動装置は、改良されて拳銃の連射が可能となっています。

新型立体機動装置は、立体機動装置の持つ予測不能な動きと合わさってマーレ兵相手にかなりの戦果をあげました。

雷槍

雷槍は、中央憲兵によって秘密とされていた技術を奪い、ハンジ団長と技術班によって開発された対巨人用の新兵器です。

鎧の巨人など硬質化能力を持つ巨人を倒すべく設計され、落雷のような威力からその名が付けられたと言われています。
雷槍は、杭状の形をした徹甲弾の一種で、兵士が腕に装着して立体機動装置のグリップ部分で操作を行います。

発射された雷槍は目標に突き刺さった後、すぐには爆発せず兵士が起爆用ワイヤーを引き抜くことにより爆発する仕組みになっています。

雷槍の効果

ウォール・マリア奪還作戦にて初めて実戦投入され、予測通り鎧の巨人の硬質化部分を貫通・爆破し、複数発打ち込むことで行動不能に陥らせる威力を発揮しました。

兵士個人レベルで携行・運用できるという点でも、従来の対巨人用兵器と比較すると破格の性能と言えます。

雷槍の欠点

雷槍は、現代のロケット弾やミサイルのような安定翼が無いこと、起爆用ワイヤーの長さの問題から射程は短いと思われます。

このことから、立体機動で巨人にある程度接近して発射する必要があります。

しか、兵士が巨人にあまり近づきすぎると爆発に巻き込まれる危険があるため、巨人の体に直接アンカーを刺して接近することはひじょうに危険です。

また、硬質化能力を持つ巨人は知性を持った巨人のため、直接アンカーを刺すことも危険です。

巨人の周囲に建築物や樹木などが無い場所での戦闘では、実質的に使用不可能となる場合が多いのが欠点となります。

また、拳銃には雷槍の装着も可能な作りで、雷槍の保有が続く限り巨人の相手も十分可能となっています。

従来の立体機動装置よりも戦況に応じて対応できることから、マーレとの戦闘以降は多くの調査兵が新型立体機動装置を装着し、雷槍を同時に装備しています。

漫画版とアニメ版の立体機動装置の違い

原作漫画とアニメ版では、ワイヤーの射出・巻取り装置の形状が違っています。

漫画版では樽型の装置にワイヤーとガス機構が同一形状になっていますが、アニメ版ではワイヤーが二つの円盤型のケースに分割され、ガス機構を挟んで腰の後ろ両側に配置されています。

アニメ版では、機動性を表現するためにワイヤー射出時に発生する火花、噴出するガスが戦闘シーンに迫力を加えています。

漫画版とアニメ版の違いは他にもありますが、やはりアニメ版では漫画版では演出できない迫力を十分に演出していると思います。

立体機動装置
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進撃の巨人考察・兵器の機能と性能を分析