いよいよ最終話で現代戦に近い兵器が登場しました。
航空機を撃墜するための地対空ミサイルです。
地対空ミサイル 第34巻最終話
進撃の巨人最終巻、最終話では、現代戦に見られる地対空ミサイルの姿がほんの少し描写されています。
形状から推測すると、MIM-104 Patriot、通称「ペトリオットミサイル」と思われます。
それぞれ2連装になっています。
空には爆弾を投下している多くの爆撃機が見えます。
新たな戦争が始まりパラディ島を攻撃した模様ですね。
地対空ミサイル「ペトリオット」
第34巻最終話では、世界大戦とも思われる地ならしが途中で停止し、またエレンが亡くなり、バラディ島も世界の一員となって時間が経過していきます。
エレンの亡骸を埋めたと思われる、目印の木の下にミカサが訪れます。
そして、数十年又は数百年経過した後に、再び戦争が勃発したようです。
かなり大型の航空機が爆撃をしています。
その爆撃機に対抗してペトリオットと思われる地対空ミサイルが配備されています。
地対空ミサイルとは
地対空ミサイルとは、その名のとおり地上から航空機を狙うためのミサイルです。
地上から航空機を攻撃するミサイルを地対空ミサイル、艦艇から航空機を狙うものを艦隊空ミサイルと表現します。
航空機から航空機では、空対空ミサイルとなるわけです。
地対空ミサイルの種類
地対空ミサイルにはかなりの種類があります。
また分類は、その追尾方式や管制方式によっても分類が異なってきます。
ここでは、ペトリオットミサイルを例にとって簡単に紹介します。
ペトリオットミサイルは、パトリオットと呼ばれることもありますが、日本国政府や航空自衛隊では、「ペトリオット」、報道機関では「パトリオット」と呼んでいます。
このブログでは、航空自衛隊呼称の「ペトリオット」としています。
ペトリオットミサイルの機能、性能
MIM-104 パトリオットミサイルは、アメリカ合衆国のレイセオン社がアメリカ陸軍向けに開発した広域防空用の地対空ミサイルシステムです。
防衛できる範囲は、およそ20~30kmと言われています。
米軍仕様や輸出仕様により、その距離は異なります。
ペトリオットミサイルは、航空機やミサイルに対して使われます。
特に最近では大陸間弾道弾の弾頭部分を撃墜するPAC-3が有名になり、航空自衛隊もPAC-3を配備しています。
PAC-3のPACとは、Patriot Advanced Capabilityの略で、次々と改良が続いています。
現在は、末尾の-3まできています。
このタイプは、2023年現在では最新型です。
ペトリオットミサイルの誘導方式
ミサイルは、目標まで誘導しなければ命中しません。
その誘導方式は、PAC-3以外はTVM(Track Via Missile)方式と言われる、レーダ誘導方式です。
簡単に説明すると、「レーダで目標を照射→反射波をミサイルの弾頭で受信→その信号が最大になる方向に向かって直進する」、という方式です。
ですから、レーダの性能は重要になってきます。
PAC-3では、「ミサイル自体がレーダ波を照射→その反射波を受信→その信号の反射波が最大になる方向に向かって直進する」、という方式です。
基本的にミサイルは、目標に向かって直進しているように見えますが少し違います。
エネルギー温存の法則
この「エネルギー温存の法則」は、管理人が勝手に付けた名称です。
ミサイルは目標に向かって直進しているように見えますが、実は直進ではない動きをしています。
ミサイルは、内蔵されている燃料、バッテリーには限度があります。
そこで、大気のエネルギーを効率的に得るために、最初は目標よりもなるべく高い高度に向かって飛行します。
目標よりもわずかに高い高度まで上がれば、降下する時には重力による落下エネルギーを得ることができます。
降下する時は、自然落下の形になるので、燃料やバッテリーを節約することができます。
そして、目標に最も近づいた時をねらって燃料、バッテリーを爆発的に使うことができます。
方向舵は、通常バッテリーで駆動するので、地上から目標に向かう時に方向舵を多く使うとバッテリーが消耗します。
それを避けるために、なるべく目標よりも早く高い位置に上り、降下しながら目標までの位置を極限まで近くし、最後のエネルギーで方向舵を最大に使いヒットするようにします。
「エネルギー温存の法則」とは、地球の重力による自然落下エネルギーを最大限利用し、燃料やバッテリーのエネルギーを温存することです。
一発のミサイルを目標にヒットさせるためには、もっと複雑な仕組みや機能を駆使しています。
詳しい説明は、他の専門家に説明をお任せしますが、大陸間弾道弾のような超高速の目標にヒットさせるための技術は、世界最高の技術が必要になってきます。
トップガン・マーベリックに登場する地対空ミサイル
2023年、映画トップガンに地対空ミサイルが登場します。
映画では旧ソ連製の2K12をモデルにしていると言われています。
旧ソ連製ミサイル2K12
写真はWikipediaからのものです。
いかにも東側軍隊スタイルのミサイルですね。
詳細はこちらが詳しいです。
トップガンでは、赤外線追尾を逃れるためF-18戦闘機からフレアを発射しまくって回避しますが、2K12モデルのミサイルはレーダ誘導ミサイルなのでフレアは効果ありません。
いろいろな方が指摘されていますが、あくまで映画の中の話なのであまり詮索してもしょうがないです。
赤外線用のフレアを発射しまくった方が見映えがしますから、そうしたのでしょう。
マレーシア航空機撃墜事件
2014年ウクライナ上空でマレーシア航空17便が地対空ミサイルで撃墜されました。
この時使用された地対空ミサイルが9K37ブークと呼ばれるロシア製である可能性が高いという調査結果が出ています。
地対空ミサイルで狙われた航空機は、軍用機と言えど回避することは難しいです。
トップガンでは、かなりの数の地対空ミサイルを回避しています。
実際には地対空ミサイルから映画のように逃げることは、ほとんど出来ないと思います。
現代戦の防空作戦に地対空ミサイルは無くてはならない存在です。
最終話の武器が最終
進撃の巨人でも、航空機に対向するため地対空ミサイルが登場することになりましたが、ストーリーの展開からこれ以上の武器の進展はないでしょう。
もし、進撃の巨人の続編があったとしても、現在使用されている武器以上のものは登場しないでしょうね。
続いていたら完全なSFストーリーになりそうです。