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対巨人野戦砲とは?
壁内人類が開発した最大級の兵器
進撃の巨人の世界において、人類が巨人に対抗するために開発した数少ない重火器のひとつが「対巨人野戦砲」です。
壁内に住む人類は、突如現れた巨人たちに対して常に絶望的な戦力差を抱えていましたが、その中で少しでも巨人の進行を食い止めるために開発されたのがこの兵器です。
強力な砲身と特別に設計された炸裂弾により、一般兵でも距離を保ったまま巨人にダメージを与えることが可能となり、当時の人類の「最後の砦」とも言える存在でした。
写真は、東京市ヶ谷の防衛省内に展示されている野戦砲です。
対巨人野戦砲にその形が似ています。
旧式大砲との違いは?弾薬・射程・威力を比較
旧式の大砲との最大の違いは、「威力」と「貫通力」にあります。
旧式の大砲は対人・対建物用に設計されており、巨人の再生能力には歯が立ちませんでした。
一方、対巨人野戦砲は、巨人のうなじを狙い撃つことができるよう、特殊な炸裂弾を使用し、さらに高い貫通力と爆発力を持たせてあります。
射程距離も延長されており、より安全な距離からの狙撃が可能となりました。
対巨人野戦砲のスペックと設置場所
主砲の口径・射程・砲弾の種類とは?
詳細なスペックは、作中で明かされていませんが、描写から推定される対巨人野戦砲の口径は10〜15cm程度ではないでしょうか。
それ以上になると、兵士単独では運搬できないと思います。
砲弾には「徹甲炸裂弾」が使用されていると思われます。
その理由は発射後に対象物内で爆発し、巨人のうなじに命中しなくても体の一部を完全に破壊することができるからでしょう。
射程は、推定300〜500mとされ、巨人に近づくと危険なため、一定の距離を保ちながら砲撃支援を行っていたのでしょう。
どこに配置されていた?設置拠点と役割(ウォール・ローゼやシガンシナなど)
対巨人野戦砲は、主に壁上および壁内部の拠点に配置されていました。
特にシガンシナ区やトロスト区といった防衛の要所には集中して設置され、壁の上から下方に向けて砲撃するスタイルが基本です。
壁上兵器の特性上、高所からの一方的な射撃が可能で、巨人の接近前に撃退できる数少ない手段として重宝されました。
実戦での活躍|対巨人野戦砲の効果と限界
どの巨人に有効だったのか?
通常の無垢の巨人に対しては、対巨人野戦砲は非常に高い効果を発揮しました。
特に大きな的である巨人に対し、弾道が安定しているため命中率も高く、うなじを的確に撃ち抜けた場合には即死させることも可能でした。
防御力に乏しい無垢の巨人に対しては、最強クラスの武器だったと言えます。
鎧の巨人・獣の巨人に通じたのか?
しかし、知性を持つ巨人、特に鎧の巨人や獣巨人のような特殊能力を持つ個体に対しては、威力が不足していました。
鎧の巨人はその名の通り、体表が装甲のように硬化しており、通常の砲撃ではうなじや体を破壊できないことが作中でも描かれています。
また、獣の巨人に対しては、獣の巨人の持つ機動性と投擲による攻撃によりその威力が発揮できませんでした。
巨人側の進化により、通用しなくなった背景
物語が進むにつれて、巨人たちは戦術的にも進化を遂げ、機動性・硬化能力・知能による判断力を持ち合わせるようになります。
一方、対巨人野戦砲は、移動できる大砲ですが固定して使用することが原則の武器であるため、動きの速い巨人には対応しきれないという弱点がありました。
そのため、後半になると雷槍や立体機動装置のような個人戦闘兵器の重要性が増し、野戦砲は次第に時代遅れの武器となっていきます。
現代兵器との比較|もし現実に存在したら?
自衛隊や現代大砲との性能比較(エンタメ的アプローチ)
もし対巨人野戦砲が現実に存在したとしたら、それは戦車砲や榴弾砲と同等の威力を持つ兵器と考えられます。
例えば、陸上自衛隊の保有する「FH-70 155mm榴弾砲」などと比較すると、砲口速度や爆発半径では現代兵器の方が上でしょう。
ただし、進撃の巨人の世界では火薬の質や工業力が限定されているため、野戦砲の威力はあくまで「作中最高クラス」であり、現代の基準では中程度に位置するかなと考えられます。
「もしも」の世界で考える対巨人戦術
仮に現代の兵器が対巨人戦闘に使われたらとしたら、を考えてみました。
ドローンによる空中爆撃、無人自走砲、ミサイルなど、人類が総力戦で巨人を迎え撃つ世界観になると思います。
「現代の兵器VS巨人」のシミュレーションは、話題性が多いですが、さすがに無理があるかもしれません。
戦艦大和と地ならしとの戦闘を考えた記事はこちらです。

対巨人野戦砲の登場シーン・活用場面まとめ
原作漫画で印象的だった使用シーン
印象的なのは、トロスト区奪還作戦やシガンシナ決戦での砲撃シーンです。
巨人の大群を迎え撃つ中、砲弾が炸裂し、複数体の巨人を一掃する描写には爽快感がありました。
特に壁上からの一斉射撃は、人類が一致団結しての反撃でした。
この攻撃は、巨人を全て倒せるかもしれないと思わせる描写でした。
アニメ版での演出の違い(音・爆風・重量感)
アニメ版の進撃の巨人では、砲撃の爆音や爆風、金属のきしむ音など、重厚感のある演出がされていました。
アニメ版は、視覚と聴覚の両面で迫力が倍増しています。
アニメ版ならではの「大砲の重み」が伝わってくることで、兵器としての存在感が一層強く表現されています。
考察|対巨人野戦砲が象徴する「人類の抵抗」
技術で巨人に立ち向かうというテーマ
進撃の巨人において「対巨人野戦砲」は、単なる武器以上に、人類の知恵と技術の象徴かもしれません。
絶望的な状況でも、科学と工夫によって抗う姿勢を見せたこの兵器は、作品全体のテーマである「人は何と戦い、どう抗うか」を象徴している存在といえるでしょう。
ミカサやエレンたちとの戦闘力の対比
対巨人野戦砲が集団戦を想定した兵器である一方、ミカサやエレンたちは個人の力で巨人に立ち向かう戦士です。
この対比は、「技術による集団戦」vs「個の力による接近戦」という、人類の進化の方向性の象徴ではないでしょうか。
対巨人野戦砲が登場しなくなった後も、その役割と象徴性は、物語の中で確かに残り続けています。
