マーレ軍の兵器には、大型のものが多数あることがわかってきました。
この大型の兵器を多量に持つマーレ軍とパラディ島の調査兵団、兵員達が全面戦争になった場合、いくら巨人がいたとしても勝ち目は無いかもしれません。
特に航空機からの攻撃は、対抗手段が無い場合には、致命的な被害を受けてしまいます。
ただし、航空機も無限の動力を持っているわけではないので、短時間での攻撃に限られるでしょう。
総力戦となって、調査兵団が航空機から攻撃を受けた場合はひじょうに危険な状態になるでしょう。
マーレ軍の飛行船 第21巻第86話
飛行船の種類
この第86話では、すばらしい近代的な乗り物が登場しました。飛行船です。
それもかなり大型のようです。
飛行船が浮遊するためには、その内部に「地球上であれば」ヘリウムガスを充てんする必要があります。
1900年代初頭は、水素ガスを充てんしていましたが、安全性が確保できないため、ヘリウムガスに代わっていきました。
マーレ国の飛行船が「ヘリウム」を使用していると仮定して、大型の飛行船に充填するには、一晩以上がかかると思います。
そのヘリウムガスはどこから調達したのでしょうか?やはり、化学物質の合成や分解ができる技術力を保有しているのでしょう。
水素やヘリウムを貯めておくタンクなども描写されると面白いかもしれません。
戦闘用飛行船
第23巻第92話で登場する飛行船は、かなり大型のようです。
推進装置もプロペラが片舷2基見えるので、両舷で4基となりますね。
動力装置はエンジンなのかモーター系なのかはわかりません。また、内部の構造も少しわかります。
頑丈な軽合金でできているようで、軽量化のため、金属のフレームには丸い穴が空けてあります。
これは現在の航空機のフレーム、骨組みの構成と同じですね。
過去に有名な飛行船として、ドイツのヒンデンブルグ号やツェッペリン号があります。
これらの飛行船も船体は、金属のフレームとシートでできていました。
現在でも現役のツェッペリンNT号でも同じような構造で、全長75m、搭乗者数は10~14人ぐらいです。
また、推進用の動力は、レシプロエンジンを数基使用しています。
マーレ軍が使用している動力、推進装置はどのようなタイプのものが装備されているのでしょうか、レシプロエンジンなのか、他の内燃機関なのか興味のあるところです。
飛行船の係留方法
マーレ国が飛行船を係留させる場面です。
ここで、グリシヤ・イェーガーとマーレ軍内に潜伏する「フクロウ」が初めて出会う場所でもありますね。
その後の展開は残酷なストーリーにつながりますが・・・。
飛行船を地面に係留させるのはひじように難しく、飛行船に推進力が無い時は、船首が風上に指向します。
そんため、船首を係留して止めた場合、風向きが変わるたびに、船体が左右に大きく触れ回ることになります。
この場面では、格納庫に入れようとしているようですので、格納庫内で整備が行われるのでしょう。
いずれにしろこの時代には、飛行船という航空戦力があったことに驚きます。
航空戦力という言葉にハンジ団長は、驚くシーンが後になって登場します。
マーレ軍以外の国には更に発達した航空戦力があるかもしれません。
第一次世界大戦で使用した複翼型の戦闘機が登場すると、ストーリーが劇的に変化するでしょう。
飛行船の運用方法
飛行船の運用にはいろいろありますが、マーレ軍はこの飛行船を使用して、巨人達を上空から落下させるというとんでもない戦術をとっていました。
飛行船内では普通の状態の人間、その人間を飛行船から突き落として、その途中で巨人に変身させ敵軍に送り込むという残酷な戦術です。
これらの人間は、エルディア人です。
飛行船内のエルディア人達は、ジークの脊髄液を注射された状態で運ばれ、降下中にジークからの指令で巨人化し敵地に落下します。
当然、落下の衝撃に耐えられなかった巨人は絶命するでしょうが、そんなことはおかまいなしという戦術ですね。
何とも恐ろしいことを考えたものです。
ここで落下させられるエルデイア人達は、犯罪者や規則違反ではないでしょうか?
落下する前の表情を見ると自分から志願したような表情ではなく、意識が朦朧(もうろう)としているようにも見えます。
飛行船の対抗手段
飛行船は、空中での速力、機動性がそれほど優れているわけではないので、新たな戦闘機などが登場したら、一瞬で破壊されてしまうでしょう。
進撃の巨人の時代背景の航空戦力は、今のところ飛行船が一番進化している航空戦力だと言えるかもしれませんが、高度が低い時は、高射砲や銃弾で簡単に撃墜されてしまいます。
飛行船に対抗するには、速力の速い高性能飛行船を準備して対抗する方法もあります。
また、飛行船の性能をしのぐ航空戦力の登場は、やはりもう少し先になるのでしょうか。
調査兵団の飛行船 第26巻第105話
調査兵団の飛行船
エレンと調査兵団がマーレ軍を粉砕した後に、エレンと調査兵団を回収するために登場した飛行船です。
ここでは、オニャンコポンという操縦手が登場します。
マーレ軍の飛行船が登場してから十数年経過した後に登場してきたので、調査兵団も何かしらの資料を入手し、独自の飛行船を製作したと思われます。
大きさは、全長70mぐらいでしょうか、かなりの容積があるように見えます。
マーレ軍の飛行船と比較してもひけを取らないのではないでしょうか。
ただし、中の装備品についてはあまり描写がありません。
荷物を運ぶ輸送船のように大きな部屋があるだけのような造りになっています。
残念なことに、ここでアレン達と同期生のサシャが命を落としてしまいます・・・。
飛行船の動力
105話の中で、飛行船がパラデイ島に向け、撤退していく時の音が「ゴゴゴゴッ」と描写されているので、何らかの動力装置が装備されていると思われます。
それが、マーレ軍と同じようにレシプロエンジンなのかガソリンエンジンなのかはわかりません。
この動力装置も、パラディ島の技術を結集して作り上げたものなのでしょう。
もしかすると、電池駆動かもしれません。
第25巻までのストーリーでは、パラデイ島の過去4年間が描写されていないので、その期間中に調査兵団の兵器の近代化が図られたと思います。
今後、兵器類の製造などが明らかになるでしょう。
飛行船の形状
船体の形状は、飛行船特有の長い「はまき型」です。
これは、飛行船のスタンダードな形状ですが、飛行船の船尾には、大きな制御用の方向舵と昇降舵のようなものが描写されています。
現在使われている飛行船は、テールフィンと呼ばれていて、調査兵団の飛行船の方向舵、昇降舵とは少し取り付け位置と形状が異なります。
進撃の巨人に登場する飛行船は、きっと諌山先生のオリジナルなのでしょう。